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年間職員研修

2019(令和元年)年度

4月  新人医療事務入職接遇研修
5月  身体拘束廃止に向けて
6月  医療現場での排便コントロール
7月  高齢者特有の皮膚障害スキンケア ~予防ケア・栄養管理に焦点をあてて~
オムツの着用 ~種類別など特徴も考えて~
8月  メンタルヘルス
身体拘束廃止
9月  終末期の対応 急変時の対応について
身体拘束廃止
全国老健大会参加
10月  感染症予防対策・インフルエンザ、ノロウィルス ・実技、実践 ・マニュアル確認
11月 コンプライアンス・倫理規定研修
介護福祉士 試験対策
12月
1月  介護現場のレクリエーション
2月  職業能力 (自己評価)
3月  職業能力 (上司評価)
随時  新任職員研修

 研修だより

2019. 6月  医療現場での排便コントロール研修

「排便コントロール」についての研修を実施しました。
講師は、森永乳業グループの管理栄養士の島崎先生です。

排便は、生きていく上で必要な生理現象です。この現象が過剰になったり、滞ったりすることにより生じるのが、下痢や便秘です。
排便コントロールとは、これらを適切にコントロールすることを言います。

・失禁関連皮膚炎(IAD)と褥瘡は異なる。
・便秘には原因によって種類が多くあり、対処方法も異なる為、便秘解消のための下剤の使用は有効ではない。
 また多剤処方の副作用を防ぐ点でも、良好な排便コントロールの為に腸内環境を整えることが必要。
・ビフィズス菌や乳酸菌、食物繊維やオリゴ糖などは、腸内で排便状況を改善する働きをしている。

【褥瘡】 外力がかかることで骨によって圧迫された組織が障害された状態。
【失禁関連皮膚炎】 尿失禁や便失禁が起こると、おむつを日常的に使用する機会が増加する。
おむつを装着していると、殿部や陰部に皮膚障害を起こすことも少なくない。
尿・便への曝露に起因する皮膚損傷を、失禁関連皮膚炎(incontinence-associated dermatitis:IAD)という。
IADは褥瘡発生のリスク要因だが、褥瘡とIADを区別し、予防対策や治療・ケアを行う必要がある。

【ビフィズス菌などの効果】下痢の要因のひとつに腸内細菌の乱れが挙げられ、改善を図るためプロバイオティクスの投与が有効とされる。
ビフィズス含有食品の排便コントロールに及ぼす影響などが研究されている。

講義後の質疑応答では、食品の原材料名から家族やペットなどに関する身近なものまで、様々な質問が出ましたが、
講師の先生からの明確な回答を得て、大変勉強になりました。
この研修で学んだことを活かし、利用者様の気持ちに寄り添えるよう、日々の業務に役立ててまいります。

2019. 7月  高齢者特有の皮膚障害スキンケア~予防ケア・栄養管理に焦点をあてて~

『スキン-テア(皮膚裂傷)の予防ケア』について、栄養管理・外力保護ケア・スキンケアに焦点を当てて研修を実施しました。
講師は、ニュートリー株式会社の管理栄養士の川東先生です。

医療・介護の現場には、ドライスキンや皮膚の弱い利用者様が多くいらっしゃいます。平成30年度診療報酬改定では「褥瘡の危険因子」の評価項目に『皮膚の脆弱性(スキン-テア の保有。既往)』の項目が加えられました。

【スキン-テア(皮膚裂傷)】 
摩擦・ずれによって、皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷(部分層損傷)のこと。
褥瘡、失禁関連皮膚障害(IAD)、医療機器による持続した圧迫やずれで皮膚が剥がれた(MDRPU)は除外とする。
皮膚が薄くスキン-テアになりやすい為、研究が進んでいるオーストラリアで作成された「STARスキンテア分類システム」を導入してスキン-テアのアセスメントツールとして標準化。「皮弁」と「出血」が観察のポイントである。

【スキン-テアのリスクアセスメント】 加齢、ドライスキン、低栄養状態、抗凝固薬や ステロイド薬の使用等

【発生時の状況例】 テープ剥離時、転倒時、ベッド柵にぶつけた時、車椅子移動介助の摩擦・ずれ等

【予防ケア】

  1. 栄養管理
    真皮深層までの損傷の点から、真皮母細胞の繊維芽細胞を刺激して、真皮内のコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の合成促進にコラーゲンペプチドが有効である。
    低栄養状態ではLBM(Lean Body Mass:除脂肪体重)維持が優先され、創傷治癒が減速または停止してしまう為、ビタミンを摂取し3大栄養素の代謝を促すことで栄養状態が改善し、結果ドライスキンも改善され裂傷されにくい皮膚環境が作られる。
  2. 外力保護ケア
    スキン-テアの傷を悪化させないように、テープ剤を剥離させる好ましい方向を矢印で記入する。
    負担が少ないテープ剤の貼り方や剥離方法、安全な環境作りやケア技術、医療用品の使用についても学びました。
  3. スキンケア
    保湿剤は、滑りを良くするため手の平で温めて、毛の流れに沿って塗布。
    皮膚保護のための寝衣の選択や更衣時に皮膚が剥離する時があるので寝衣が擦れたり引っ張られたりしないようにする。発汗時は特に注意する。

講義後の質疑応答では、「コラーゲンペプチドを普段の食事で摂取するにはどうしたらよいか」という質問が出ました。
コラーゲンペプチドは魚の皮や骨に多く含まれ煮魚がお薦めですが、摂取できても2g程度。日々の食事のみではなかなか難しいことが分かりました。
スキン-テアは「できてから治す」ではなく「つくらない」ことが大切です。
この研修で学んだことを活かして、利用者様が健康な皮膚でいられるよう、日々の業務に役立ててまいります。

2019. 7月  オムツの着用  ~種類別など特徴も考えて~

実技を含めた 研修を実施しました。
講師は白十字株式会社の生田さんと 平山さんです。

白十字の介護製品には普段からお世話になっていますので、
直接肌に触れるアウターやパッドを快適に活用するための講義です。

パッドのあて方やテープ・パンツタイプのおむつの着用ポイントを目の前で確認させていただきました。
実際に参加者がオムツを着用して、つけ心地の違いも体験しました。
着用の仕方ひとつで格段に心地よさがアップすることを、身をもって学ぶことができました。
この感覚を大切にして、日々の介護に活かしていきます。

2019. 8月  メンタルヘルス

「聴き上手になりましょう」を テーマに「メンタルヘルス」の研修を実施しました。
講師は、特定社会保険労務士・心理・産業カウンセラーの山本道子先生です。

話す相手の態度・表情を見て、感情を読み取るロール・プレイングを行いました。
最近は、感性によるコミュニケーションが欠如してきていると言われています。
相手の気持ちを受け取り、言葉にすることの大切さを改めて実感させられました。

話しやすい聴き方、話しにくい聴き方の違いを分かりやすく教えて頂きました。
あてはまる行動をしていないかどうか、自身の日ごろの行動を振り返ることが出来ました。

ボディーランゲージで伝えたり、役になりきったり、参加者がゲーム感覚で楽しみながら学べる内容でした。
今回もたいへん有意義な研修でした。
学んだことを活かし、患者様や利用者様の気持ちに寄り添えるよう、今後の業務に活かしていきます。

2019. 8月  身体拘束廃止に向けて

「身体拘束とは」「なぜ拘束をしてはいけないのか」「より良いケアとは」
をテーマに、身体拘束廃止に向けての研修を行いました。
看護師も含め、介護老人保健施設勤務者からデイサービスセンターの、3~15年以上経験のあるスタッフが参加しました。

【講師】 下山 久之先生
同朋大学社会福祉学部教授、NPOシルバー総合研究所理事、愛知県介護福祉士会会長

  • 身体拘束とは:本人の意思に反し、身体の自由を奪うこと(ドラッグロック・スピーチロック・フィジカルロックなど)
  • なぜ拘束をしてはいけないのか:QOLを抑え込むことになるから。利用者、家族、専門職、社会にとっての不利益になり抑制死を生み出すため。

【身体拘束廃止に向けての考え方】

  • 医療・保険・福祉の機能と目的、介護福祉サービスであるために:介護福祉は、生活支援という切り口から、自立支援を通して利用者の自己実現と生活の質向上を目的としている。
  • 介護職員の仕事とは一言で言うと、自立へ向けたQOLの向上を支えること。入浴介助や食事介助、排泄介助だけではない。

【QOLへ向けての取り組み】 ※Quality of Life (生活の質、生命の質)

  • その方へのアセスメントの重要性
  • 個別支援計画を立てる。
  • スタッフ間の周知徹底をする。
  • 環境の整備をする
    ⇒  生活を構成する要素を相互に関連付け、利用者自身の持つ能力を用い、
     生活リズムを整えていくことが重要

【まとめ】

  • 利用者の意思、遣りたい事は何かを知る。見守る。
     アセスメントを取り、専門職としてのQOLを持ち合わせて、多職種との連携を徹底することと家族の協力を得る。
     そして、利用者本人の力も借りてQOLの向上を高める。
  • 身体拘束廃止に向けては、万一万一と考えるのではなくチーム力を上げることに観点を置く。時間に追われついること、忙しいを言い訳にしないカバーし合えるチーム力とコミュニケーション!先ずは、成功しやすい事から取り組んでみよう!
  • 身体拘束はますますケアを難しくさせていくこと忘れずに。
2019. 9月  終末期の対応 急変時の対応について

「終末期の対応 急変時の対応について」の研修を実施しました。
講師は「エンドオブライフ・ケア(ELC)協会」認定ファシリテーターの
中嶋順子先生と宮下善美先生です。

中嶋 順子先生:医療保人秀麗会山尾病院やまお訪問看護ステーション管理者
宮下 善美先生:訪問看護ステーション株式会社はみんぐ代表取締役管理者

※ファシリテーター: 調整役、促進者。中立的な立場から活動の支援を行い、利害から離れた客観的な立場から適切なサポートを行い、集団のメンバーに主体性を持たせる役割を担う人。

【苦手意識を関わる自信へ】
人生の最終段階で苦しむ方にとっての支えになりたい、その思いを胸に日々業務に取り組んでいても、思いがすれ違ってしまうことも少なくないものです。解決する力になれなくても関わり続けることが大切。理解者になりましょう。

【急変した時の対応について】
いざという時に、ご本人やご家族の思いを理解し、安心してケアを続けるためには、あらかじめ終末期医療についての希望 を話し合い、決めておくことが大切です。

事例をもとに、ロールプレイングを行いました。最初は難しく戸惑いましたが、練習するごとに理 解が深まり、大変勉強になりました。
この研修で学んだことを日々のコミュニ ケーションで活かし、よりいっそう、利用者様を支えていきたいと思います。

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